インジケーター各種の評価(簡単装着系)
ニンフや管釣りで欠かせないインジケーター各種、特に簡単装着系について解説。「簡単装着系」というのは、いわゆる「浮木」形式としてゴムチューブなどを使わず、ドライフライの釣りからリーダーティペットなどの取り外しなく、すぐにインジケーターの釣りに移行できるタイプの物。
インジケーター各種
TIEMCO STRIKE DETECTOR
古くからある定番品。浮力のあるフォーム材が台紙に貼り付けられており、三種類の大きさにカットされた一片づつをティペット部に巻きつけて使う。現在はノーカットで自由な大きさに切り取って使うタイプもあり。また、高浮力タイプの分厚い物も。
STRIKE DETECTORの利点
ティペットへのストレスが少ない。思い立った時にすぐに使えるのでドライからの切り替えが簡単。うまくやれば位置の変更も可能。位置の変更は剥がして装着し直すのではなく、巻きつけたSTRIKE DETECTORを手で持ち、ティペットをそっと引っ張って位置を変える。
STRIKE DETECTORの欠点
比較的浮力が少ない。重いビーズヘッドが付いたニンフなどには複数個の装着を余儀なくされることがある。
これを逆手に取れば、複数個を間隔を開けて取り付けることで平水での微妙なあたりを取ることもできる。
冬季で気温が極端に低い時、たとえば5℃を下回る気温だと粘着性が低下し、ロールがほどけやすい。
逆に、夏の高温期には柔らかくなりすぎ、装着時に強くロールしすぎると発砲素材がペシャンコになりやすく浮力が稼げない。
使い捨てである。
STRIKE DETECTOR類似品自作の提案
中にはこんなアイディアも。合理的です。
◆
river peak インジケーター
上の画像は「断面」をオレンジに塗るチューン済み
硬めのフォーム材に粘着テープが付いた物。粘着面でティペットを挟み込む形に固定する。装着すると丸型に収まり、意外に空気抵抗が少ない。
river peak インジケーターの利点
大きさの割に意外に浮力はあるかも。ドライフライの釣りからすぐに装着でき、簡単に沈める釣りに移れる。うまくやれば位置の変更も可能。位置の変更は一度剥がすのではなく、ティペットを引っ張って行う。
うまくやれば再利用も可能。一度剥がすと粘着力が下がるので、そこ両面テープを貼るとまた使える。(えらくケチケチだが)
river peak インジケーターの欠点
そのままでは白い断面が残るため、実使用では視認性に劣ることがある。そこで私はそこをオレンジ色のサインペンでペイントしている。これでかなり視認性は改善される。
低温期には粘着力が下がり、十分に張り付かないか、剥がれやすくなる。
LOON BIOSTRIKE
直径60mmほどのパッケージ。現行品はこれとは異なる新デザイン。
「浮力のある粘土」という感じの物体。粘土と言っても十分に軽い。塊から適度な量を指でちぎり取り、ティペットに練りつけながら成形する。この特殊粘土は粘性があってティペットに張り付く感じ。
装着後、水に浸かって冷えるとそこそこ硬くなり粘着力も増す感じ。
LOON BIOSTRIKEの利点
好きな大きさ、形に成形できる。ピックアップ時に水の抵抗が少ないような形、垂れ下がるフライの位置を示すために前後で形を変えるなどの工夫ができる。
再利用可能。
LOON BIOSTRIKEの欠点
低温期には固くなり、指でちぎり取るのが難しくなる(だいたい気温5℃を切る頃から)。また粘度が下がってティペットから剥がれやすくなる。
逆に夏場の高温期には柔らかくなりすぎ、粘度も下がって剥がれやすい。
どちらにしても時々は点検しないとキャスト中に吹っ飛ぶことがある。
各種インジケーターの使い分け
今回の解説では簡単装着系として最初二点は使い捨てのフォーム材、残り一点が粘土系となった。意外だがもっとも融通が利くのはこのLOONの粘土式。
高温・低温期には使いにくくなるが、それを除けばもっとも使いすいかも。ただし、うっかりするとキャストで吹っ飛びやすい。
なお、管釣りなどでインジケーターの釣りを最初から念頭に置いているなら、ここにある簡単装着系よりもゴム管などで固定する硬質なフォーム材などで作られた物が浮力がしっかりしていて良いと思う。
インジケーターは「浮木」なのか?
浮いてくれればそれで良いが、たとえ沈んでも見えていてアタリを取る目印になれば良し。"indicator" という名の由来からしてもそうと言える。
特に自然系流域で複雑な流れや泡に揉まれると小さなインジケーターは沈みやすい。しかし、沈んでも動きの変化を察知できれば釣りになる。
一方、止水の箱池型の管釣りなどではしっかり浮いてくれるタイプの方が使いやすいだろう。
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