芥川マス釣り場2017年3月29日
意外にも今シーズン初の釣りは管理釣り場。商品のレビュー記事を書かせてもらっている river peak スタッフさん2名とともに社員研修の釣り。先方のスタッフさんと駐車場で待ち合わせし、オフラインでは何せこれが何せ初対面である。
久しぶりの「エリア限定タイプ」の管理釣り場で様々に考えたこと、今までに感じていたことを記しておこう。
芥川マス釣り場事務所(Googleストリートビューより)
場所:大阪府高槻市 芥川マス釣り場(マップが開きます)
気温;午前8時頃 6℃ (一日うすら寒い)
水温:午前8時頃 6℃
天候:曇
釣果:20尾以上
大阪府高槻市にある芥川マス釣り場は大阪市内よりもっとも近くにあるところの、フライフィッシングができるマス釣り場と言えるだろう。
フライフィッシングを始めるにあたり、とにかく最初の一尾を手にするにはお手軽。そして完璧にファミリーフィッシング向けである。釣りの練習よりもむしろそちらがおすすめ。
芥川マス釣り場・現場の様子
現場はもろにファミリー向けで川を「マス」で仕切った状態。個々のマスにニジマスが放流され、各自がそこで釣りをする。各マスには釣り残りのニジマスがいて、そこにさらに放流されるから「ニジマス生息率」は100%である。「釣りさえすれば」釣れることが保証されており、これは天川管理釣り場のような「仕切りなし放置型」管理釣り場との違い。
天川管理釣り場の場合、元の天然河川そのままでニジマスを放流しており、仕切りも何もなし。言わば禁漁中にはアマゴの代わりにニジマスを釣って良いという意味になる。 天川村漁業協同組合
さて、上の画像をよく見ると「マス」の仕切りの上空には水平に何本もの「釣り糸」が張られているのがわかる。これは鵜などの鳥よけのようだ。各仕切りすべてにこれが入っており、フライフィッシングの場合は一見キャストの邪魔になりそうに見えた。
しかしながら、ファミリー向けの場所ということもあり、張られた鳥よけの釣り糸は各パートの仕切りとしての機能もあるようで、事実上、隣のお客さんが投げるルアーやフライによるトラブルの防止になっていることもありげ。後になって考えると、これがあった方が自分もお隣さんも安心かもしれないと思った次第。
各マスの仕切り部分は石が積まれて多少の落差や流れ込みのような形状を作っている。これはちょっとした渓流気分であるが、ニジマスというのはここに着いてばかりではない、というのがこの釣りの曲者なところ。
持ち込みタックル
さて、持ち込んだタックルはその持ち方を含めて様々に考えたが、結局はいつも渓流で使っているベストに一式を持つことになった。初めての現場では「わからない」ことが多く、そうなってしまいやすい。現場の様子がわかれば持つものも自ずと決まってくるのだろう。
それでもロッドはここ数年常用している7.7 #3-4のグラス。リールは先日レビューしたラージアーバー(にしきたトレーディングクリッカーFL#3/4)。ボックスは同じくレビューしたウッドボックス。
このリール、実戦投入してみると非常に使い易いことが判明。クリックに樹脂製パーツが使われていることもあってか、クリック音がマイルド系でラインの出し入れにおいてキンキンした金属音にならないのが良い。また巻き取り速さとしてラージアーバーはやはり便利。グラスロッドには似合わないデザインかと思ったがそうでもないなあ。
ウッドボックスはフォーム部の間隔が狭すぎずで余裕あり、ゆったり気分でフライの付け外しが楽である。
ちなみにこの日のラインはDT#4としてドライ&インジケーターの釣り両用のセッティング。大きなニジマスがいるという話からリーダーに4Xを選択しておいた。(ティペットは5Xとなる)
リーダーの長さは9fもあれば十分。初心者であれば7.5fでもOKだろう。ちなみに、私の場合はいつも使っていたセットを持ち出したために12fという長さ。これはインジケーターと重いフライを近距離で投げるの困難です。
おすすめのタックル
とりあえず実際に釣ってみた感覚としては以下のようなタックルがおすすめ。
- ロッド:初心者であれば8f程度。ベテランは6f台でも問題なし。
- ライン:インジケーターの釣りが必須になりそうなので初心者は#4ライン
- リーダー:7-9f 4X以上がおすすめ(時折50upの可能性が)
- ティペット:リーダーより一段細いもの
- フライ:もう普通にパラシュート、ニンフ、他にファンシー系各種あるとよし
インジケーターをつけたリグを近くに投入できればよく、ロールキャストのみでほぼ対応可能である。
最初の一尾はヘアズイヤー(ベーシックな所作である)
午前7時半過ぎの現場で水温を見ると6℃あるかなしか。まあこれはニンフだろうとヘアズイヤーを流して最初の一尾。
足元の石を見るとシャックがちらほら。この川、意外に虫が居るなあ。天然の虫に似せたフライが有効に働くだろうなと想像する。昼になって気温が上がると、確かにハッチはあり、結構大型のカゲロウ系も飛び出す。
そして最初の一尾を釣り上げつつ、管釣りの難しさを思い出す。これは釣りそのものの「困難さ」ということでなく、もっと釣ろうとした時にぶち当たる壁とも言える。
この釣り場は個々の釣り人に「マス」が当てがわれており、自由な移動は不可。すなわち、釣れる魚を探して釣り歩くことはできず、与えられた現場で釣りを考え、完結させなければならないというゲームになる。これはこれで難しく、考えさせられることしばし。
そうしてこのページの文章が出来上がったわけである。
管釣りのニジマス釣り考察
放流されるニジマスはついさっきでペレットを食っており、彼らが食性として何を欲するか、いつもナゾである。虫を追う本能があるのかないのか、その判断に本当に自信がない。それでも釣り残りで生きながらえたならば、それは天然にある餌を食っていることは確かである。
そこで管釣りのニジマスの食性については大きく二つのパターンとして考えられる。
- さっきまでペレットを食っていた、放流したてのニジマス
- 天然の餌も追う居残りのニジマス
前者は果たして天然餌を追えるのか?これはどうやらある程度追えていると思われるが、多分バイトが下手なのではないかと思えてならない。ドライに出るが乗らないニジマスがいかに多いことか、その経験上でそう感じてしまう。
次に後者の居残りニジマスであるが、多分餌を追うのがうまい。これは勝手な想像の部分もあるが、天川のニジマスのように放流後に越年したり自然繁殖らしいニジマスが釣れた時のパターンを見ると、食いが上手な個体が生き残った結果と思われてならない。
これらの魚は餌を待つためにある程度は「流れのあるところ」に着いて頭を上流に向けている。そしてその乏しい流れのスジの幾つかを釣りきると、それはもうおしまい。次の魚が入るまで当分は釣れない。
で、「だから?」である。目の前にいるニジマスをどうやって釣るんですか?である。結果的には適当なフライを適当に投げてみるという具合になるのがオチであるのか。
管理釣り場のニジマスを釣る難しさはこのあたりにあると感じる。「なんで釣れたのかあまりよくわからん」のである。
管理釣り場のニジマスのライズ
これ、マジで意味不明である。
虫を喰うためにするライズばかりでなさげなのがことを難しくしているように思える。
インジケーターに出たり、それをちょっとつつくといったことは頻発し、それはペレット様な餌だと思っているのか、それとも食性とは無関係な興味なのか不明である。
ルアーではニジマスをトップウォータープラグで釣ることもあり、それは水に落ちたバッタを模したものもあり、ペレットそれ自体の形のものもあり、実際の餌とは似ての似つかぬ形状の物もある。また、虫に見立てた毛針でさえが食性というよりもちょっとした興味によってつついてみた、という感じに見えることもあり。
また一方でちゃんと虫を食っているライズもありなのだ。
だから、ライズを見たとしてもそこに何を投入すべきかわからないことしばし。特に、流れのないところでクルーズしているニジマスのライズは理由がわからない。そしてその場から去っていくから何かを投入しての再現もできない。
ただし、はっきりしているのは流れのあるところで流下する何物かを待ち構えているタイプのニジマスは「餌を追う」可能性が高いことは確か。こちらはヒット率と掛かる率も高い。
しかしながらここで問題は、管釣りでは流れの中にいて餌を待つタイプのニジマス以外の方が圧倒的に多いように思われること。こちらをどうやって釣り上げるかが問題なのだ。
サブ考察:管理釣り場のニジマス・ルアー釣り
なにせルアーであるから、よほど特別な作りのルアーでない限りそれは餌と似ても似つかない物で釣っていることになる。これはニジマスがとにかく動く何かに興味を示すという性質を持っていることに由来する。そしてルアーの色、アクションによって極度に釣果が変わるのは多くの方が経験済みだろう。
管理釣り場でのルアー釣りコンテストは、ルアー選択とアクション、泳層の判断などを競っていることになる。これはもうニジマスの食性とは全く関係がないと言えそうな釣りである。
そこでこれを管釣りでのフライフィッシングに応用すると、これはどうもファンシー系のフライを使うことにたどり着く。
僕自身、かつてはファンシー系のフライをよく巻いたし使っていた。これは大概簡単に巻け、造形としてもシンプルな物が多い。ただしかし、簡単すぎて巻いた充実感ということに乏しくはある。
また、ファンシー系にある釣れ方としてナチュラルな流し方でなく、動かして良く釣れるというタイミングも確かにある。これはほとんどルアーではないかと思える釣りだ。
ま、以上の通りに考えたことをグダグダと文章にしてみるが、釣れる時には何も考えずにバタバタと釣れるのも管釣りである。が、だからこの釣れたというデータが後でなかなか役に立たないのも管釣りなのだ。
芥川マス釣り場での釣りの課題
さて、以上の通りに管釣り系でのフライフィッシングでニジマスを釣ることを考えた。
さらには、この「マス形式の仕切り」という環境下においての特殊性がある。
それというのも「移動不可」であるから自分で「釣れる魚を探す」ことができないわけだ。となると、目の前にいる魚をどうにかして釣るしか釣りようがない。
最初は流れ込みの流心やその周辺から攻めてみて、そこで釣れる。そのうちになんとなくそのエリアで釣れそうな魚はどこにつきやすいかがわかってくる。
がしかし、それらを釣りきったら後が続かない。クルーズ中のニジマスはそこそこにいるのだが、そんなのはフライに見向きもしないという状態が長く続きいたずらに時間が過ぎる。
あるフライで釣れたと言って、同じフライを同じ手法で同じようなところに流していても釣果が上がらない。フライを変えて釣れたとしても、釣れるためのデータがなかなか蓄積しないのである。
しまいには「釣れないのならキャス練でもしておくか」という気分にもなる。なお、ここでは流れが弱くドリフトやメンディングの練習にはならないと思われた。
と、そんなことを思いながらキャストしていると、ポツリと釣れてくるからややこしい。またある時はオレンジパートリッジを引っ張ってそこそこの良型が出るが、それ一尾きりで後が続かずと、なんとも難しい釣りである。
芥川マス釣り場そのもの・その他の情報
ファミリーフィッシングに注意
今回の釣行は平日であったが「春休み」である。子連れファミリーがちょこちょこ目立つ。子供達は他の釣り人がキャストしている直後ろをお構いなしに走ることもあるので安全面で注意。それと、取り込み後など、不注意にも竿を寝かせっぱなしにしていると、その上を走られますぜ。(保護者の管理はまあ、望めないだろう)
リリース無用
釣った魚はその場で焼くなりして食ったり持ち帰りも可。持ち帰り希望なら、釣った魚を生かしておける「フラシ」などの持参すると良いだろう。バーベキューセットなど持ち込み自由。
本日参加のスタッフM君がニジマスをさばく図。
場所の予約が可能
予定が定まっているなら予約可能。前日夕刻には漁協が「予約」の立て看板を指定場所に立てるようだ。逆に言えば、もしも「マス」が定員オーバーになったら打ち止めとなるだろう。
駐車について
釣り場専用の駐車場があり一日千円。釣っている最中に徴収されるよう。なお、日曜祭日には混むだろうから予約か早めに現場入りして釣り場・駐車場の確保が吉と思われる。
おすすめの釣り人
なにせ完全にファミリー層を狙った釣り場と思われる。普段は釣りをしない家族、特に子供を連れて行きたい場合には釣りを含めたお手軽なアウトドアのレクリエーションになると思う。適度には釣れるので、魚嫌いでなければそれを家族分の昼のおかずにはできるだろう。
そうして子供に釣らせ、そして自分自身は「それじゃあお父さんはフライフィッシングをしてみようかなぁ〜」といったスタンスで臨むことがおすすめ。本格的にやろうとしてはイケナイ。
なお、ルアー&フライは専用の区間がある。よって子供達は餌釣りでお父さんだけフライフィッシングというわけにはいかないので注意。