天川管理釣り場2016年1月5日
本年の初釣りとなる。
しかし気分的は「釣り納め」。昨年の11月、12月には一度行っておこうと思っていたが多忙で行けず。今回の釣行は来季の解禁に向けての釣り納め気分である。
場所:奈良県天川管理釣り場
気温;午前8時頃 1℃ 正午頃 5℃ 午後4時頃 7℃
水温:正午頃 5℃
天候:曇り時々晴れ ほぼ無風
天川村も暖冬
なんと言っても一月だから、そりゃ山の上の天川村だから、そりゃ寒いだろうと思ったが、暖冬は天川も同じ。
まあ、一日氷点下で過ごすよりかよほど楽ではあるけれど、寒風吹きすさぶといったところでの釣りも風情の一つ。
がしかし、温かい。
「秋も深まりましたね」というくらいの体感気温。備えに持っていたネオプレンの指なしグローブなど無しで釣りができるくらい。
水温は朝から帰るまで5℃で一定していた。
流石に水温5℃と、朝の気温1℃〜ではハッチを見込めずと思っていた。ニンフの釣りである。
しかし・・・・
今年の天川は減水状態がなかなか解消しない。
久しぶりのカーボンロッド+インジケーターの釣り
とりあえず、ビーズヘッドのニンフをインジケーターを付けて流し、2〜3のニジマスを得た。
ところで、最初に使ったロッドがカーボンの8fで#5。これはニンフをインジケーターで流すことを多用すると思った選択で、にしきたさんのレビュー用リールのお試しでもある。
この竿は全く非の打ち所がないレギュラーな物で汎用性が高いのだが、ここ数年来グラスの竿を中心に使っていたこともあって、ティペットにインジケーターが付いていることはトラブルの元になった。
ふと気を抜いたキャストやちょっとしたイレギュラーな動作をするとティペットがあらぬところに絡みつくのである。
こうしてみると、常用していたグラスロッドの柔らかい胴はありがたいものだった。普通にワイドループになる竿はそれだけでライントラブルが起きにくい。
遠投には向かないワイドループであるが、小渓流なら距離の問題なし。胴が入るグラスロッドでトラブルレスなキャストを体験してみることをお勧めしたい。ロングリーダー&ティペットにも向いている。
カディスのハッチを見る
ふと見ると、黒い羽のカディス。体長(いや翼長か)で1cm程度はあろうか。これが幾つか飛んでいたり、石の上に確認できる。
ううむ、1月にカディスですか!
カゲロウ系、またはミッジの何かならともかく、流石にカディスのハッチがあったとは想像だにできなかった。いや、むしろすでにカディスが出たら変なのだ。
それに、少なくとも本日の水温は5℃で、気温だってこの時点では4とか5℃ではないか。カディスが出たらいかん。
がしかし年明けから三ヶ日、天川村でもかなり気温が高かったことがカディスにも影響しているのだろうか。1月の4日時点で、誰かのツイートでは天川村で13℃とかといった情報もあった。
ちなみに、この日はカゲロウ系の個体は見ずじまい。
エルクヘア、CDCカディスを試す
こうなったら、試すしかない。
本日、流石に水温5℃ではカディスのハッチはなかろう。しかし昨日までにハッチした個体が多くいるのではないかと想像された。
ティペットに結ぶのはとりあえずカディス系。
そして確かに食いに来るニジマスがいる。
がしかし3連続のバイトで3連続ミスバイトである。
様々なカディスパターンを試す
そして思いついたのが「高浮きしない」タイプのフライ。ボディハックルなしのパターンを持っていたのでそれを試す。
しかしそれでもミスバイトが続く。しかし出るには出るのだ。だめだ。非常に微妙なのである。
本日までの天候から考えて、本来ならスペント系を選ぶべきと思えた。水に張り付いていてニジマスに食いやすいパターンでないとダメなのではないか?
しかしそんなフライは都合よく持ってはいない。スペントのカディスなんてパターンはまあ、わざわざ持ってはいない。
なのでギリギリな選択としてカディスのフローティング・ピューパである。
上の画像は普通にCDCカディスに見えるが実はフローティング・ピューパ。渋谷直人氏のデザインが基本でストレート・シャンクのフックに巻くのが特徴。レッグは画像では確認しにくいがパートリッジでスロートハックル風。
今まさにハッチしているわけではないからフローティング・ピューパではなかろうと思えるが、ボディ部分が沈んでいる分はニジマスに食いやすいと考えた。また、スペントに似ているといえば似ていることにしよう。
その結果、ボディーが沈んだピューパが当たり。
今度は3連続ヒットでニジマスを釣り上げることができた。ミスバイトはない。
というか、フローティング・ピューパの場合だけニジマスの出方が違うな。
普通のエルクヘアカディスの場合は「これ食えるかな?」という感じ。ピューパの方では「いただきまーす!」という感じのライズとなる。
もしかすると、普通のエルクヘアカディスのパターンではニジマスから見ると「逃げられるかも」といった感じで、「食えたら食っとくか」感が強い。
こうして、当日残りは全てフローティング・ピューパのみで釣りをすることになった。
合計10尾は同じフライである。
ちなみに、家に戻ってから天川で飛んでいたカディスの種類を特定しようと色々調べたが、どうもよくわからない。図鑑を見ても1月に飛ぶ物が見当たらない。色と大きさ、分布域、そしてハッチの季節(気温)から推測してコカクツツトビケラあたりの可能性はある。ウルマーシマトビケラは年間で広い季節に渡って出るようだが、色が違う。
ニジマスのポイントについて
いつものことながら、流れのない、そして底石がない部分にたまるニジマスは手も足も出ない。
これは典型的に釣れないニジマス集団。深くて流れがなく、底石もない。一見小さなニジマスに見えるけれど、平均25cm以上はあるよ。
食い気のある個体は必ず底石と流れが必要。
流れが必要と言ってもアマゴがいるような流れはまた良くない。アマゴが釣れてしまう。
かと言って、最盛期には激流の底に大物が着いてることもあるが、寒い時期はもう少し穏やかな場所が良い。
ちなみに、激流で水面がめちゃくちゃにヨレていたり白波が立ったり、また泡だらけで何も見えないような激しいところでも、底べったりは穏やかな水の流れになっていることがある。
そんなところに大物がいたりするが、これが狙いにくい。重いフライを沈めるしか手はなく、上がヨレや白波や泡ではインジケーターもかなり役立たない。が、釣れるとビックリ。そこには筋肉隆々とした砲弾型のニジマスがいることが多い。(まこれは管釣り時期ではなく、初夏にアマゴ釣りをしている時に余興として考えた方が良さげ)
上の画像はどうにかこうにか流れがあるプール。左上が流れ込みになっていて程よく底石がある。手前に突き出た岩があってブラインドにもなって狙いやすい。
上の画像も流れのあるプール。中央ちょい上あたり、石が入って底が黒く見えるあたりが狙い目。穏やかな流れ込みでもある。
釣行後のタックル手入れなど
私自身はタックル関係の手入れがマメな方だと思う。しかし正直言って釣りのたびにウェーダーとウェーディングシューズを洗って干すのはそこそこに面倒だと思っている。
ロッド(カーボンorグラス)に関しては釣行毎に水拭き、乾拭き、そして最後にアーマオール(クレ・ポリメイトに近い)を塗ってふき取っておく。
この作業をしておくと、ロッドの表面が保護され、傷つきにくく、また次回の釣り始めは濡れたリーダー&ティペットがロッドに絡みつきにくいと思う。
パズデザインのウェーダーは膝の部分がもとより多少屈曲した設計。これは大変動きやすい。
忘れ物二つ、ランディングネットと箸
今回の釣行ではランディングネットを家に置いたまま出発していた。
まあ、釣り自体はなんとかなるのだが、ネットを使っていた時の「ネットインした瞬間の安堵感」みたいなのが全くないのが寂しくもあった。
そうして気付いたのがランディングネットの本質的な役割。あれはどうやら「安堵感」のためにありそうだ。
緊張状態から一気に安堵するその落差を演出するために存在するのがあのネットなのである。
それから、また箸を忘れていた。まあ実際には持たなくても何も問題にならないのでもとより気にもしていないのか。
さて本日は実質的にシーズンの釣り納め。
まさか、1月にカディスのパターンを使うことになるとは想像もしなかった。
で、フライというのはその日には使わんと思っていても、パターンを揃えて持っておいて損はない、という話。