天川(奈良県吉野郡天川村)-2016年4月21日(木)
解禁後、本年の初釣りとなる。
場所:奈良県天川村
気温;午前8時頃 11℃
水温:正午頃 8.5℃
天候:曇りのち雨 風速2〜4m
午前中曇り、午後から風雨が強まる予報。
午前8時から釣り始め、正午前には降り始めた。午後2時以降はかなり雨強く、午後3時には納竿。
前線通過の直前と前線通過中の釣りになった。
今回の記事では現場の時系列を追わず、気づいたことをプロットしている。
雨の前、本日は流心に魚おらず、ヒラキで出る。
風雨とカメラの電池充電不足
今回の釣りではうかつにもカメラの充電に不備があって撮れた画像は3枚のみ。釣れた魚を一発撮った後、さらに構図を考えている間にカメラの電池切れアラームが鳴ってあえなくご臨終である。
それから午後は風雨が強く、カッパが知らぬ間に浸水していた。釣りの最中は気温10℃で風が強く、体感気温が低いだけだと思っていたが、釣りが終わってカッパを脱ぐと、下のシャツまでじんわりと濡れていた。この濡れで体温が下がっていたのか、かなり疲れる釣りであった。
午後からの風雨は次第に強くなりほとんど間断ない状態に。釣りに集中していたので気付かなかったのだが、防水仕様であるはずのベストもチャック部分はそれが不十分なようで、持ち物全てがズクズクに濡れていた。部分的にはフライボックス内部にまで浸水していた。
雨中の釣り経験は何度もあるが、ここまでズクズクになったことなし。
降り続ける雨とフライフィッシング
小雨程度や降ったりやんだりはなんとかなるかもしれないが、そこそこな量で降り続いてくれるとかなりやりにくい釣りがフライフィッシングである。
まず、しとどに濡れたまのリーダー、ティペットがロッドや手にまとわりつき、非常にさばきの悪い状態になる。これはトラブルの元であり、そしてトラブルを直すにもひと苦労である。これはかなりやる気を削がれる。リーダー&ティペットには何度かシリコン系のフロータントを施すが、まとわりつきはほとんど解消されず。
いやそもそもラインやリーダー、ティペットは晴れた日でも濡れているだろ!と思うのだが、いやこれが本格雨降りでは別格に扱いにくい。水馴染みの良いものほどそうなる。
もちろん、フライをティペットに結ぼうとするときに、フライを触る手がすでに濡れているのでは話にならず。CDCを巻いたフライはほぼ使えない。無理にCDCを結んで、その直後に雨滴一発で水の泡という気分。(小雨程度ではなんとかなるだろうが)
全浮き型のフライであれば、雨がわかっているなら事前にどぶ漬タイプのフロータントを施しておくのも手だと思う。
ただし、雨によって魚はそこそこに上を向いている感じである。雨が降る前より、雨が降り出してからの方が釣れている。雨粒の波紋がブラインドになっていることもあると思う。
久しぶりのカーボン短竿(Fenwick Sunriver 6.9 #3)
予報によると午後から風雨が強くなるらしいことがわかっていた。それもあってちょっとシャープで強めな竿、Fenwick のカーボンロッドを持ち出すことにした。前の晩、どの竿を持ち出すかと迷っているとき、これではないかとふと思ったのだ。
久しぶりの天川アマゴ釣りであるが、目指すポイントはそこそこ狭く、あまり大きなプールもないことから6.9の竿で十分と読んだ。風が強いと長竿が邪魔になることもある。
しかしながら、久しぶりのカーボン短竿は失敗な雰囲気。
Fenwick Sunriver #3 リール:セッタークラシック
グラスを使い慣れてからのカーボン短竿
8F以上のカーボン竿は時折使っていたが、6.9Fといった短い竿(カーボン)は数年ぶりとなった。
すぐに慣れるだろうと思ったが、これが最後まで違和感ありで思い通りにならなかった。
正直、ラインの乗りがわからない。
#3の竿に対してニシキタ・トレーディングさんからレビュー用に頂いた#3ラインである。このラインが軽め(そして細め)であるのは確かだとしても、どうやっても前後のロッドストップ時のスカスカ感が付きまとう。重めのラインにしときゃよかったと後悔するが、それは細いことによるトレードオフと考えた。
しかしながら、キャストのタイミングが取れないのである。タイミングがわからない分は腕で強く投げようとする傾向が出たと思う。これによって同じ長さならグラスより軽いはずのカーボンの竿の方が振っていて疲れてしまったようだ。力まずに投げられるのは短竿ならグラスの方ではないか。
ただし、短竿でライン番手が低いとそもそもがラインの乗りがわかりにくいのは確か。それもあって短竿はグラスの方が使い良いなあと思った次第。ラインの重みがわかりやすく、竿が勝手に投げてくれる、そんな感じがグラス竿特有の感触である。
それから、魚が掛かったときも、カーボン竿は何かときめかない。なぜだ?・・・
ところが、家に戻って道具の整理をしながら、このカーボン短竿をつないで振りながら思う。「いやそこそこ良いアクションをしている。振り抜けも良い感じ。なんで投げにくかったのだろう?」竿というのものはつくづくわからんものだ。ラインやリーダーのマッチングに失敗している可能性もある。多分それ。
ハッチとフライ
雨の前、明らかに4枚羽であるところのフタバコカゲロウ、少し大きめの白っぽいヒラタ系のカゲロウ、それから黒く小さいカディス、クロツツか何かだろうか。雨が激しくなる前、盛んとは言えないまでも時折目にすることができた。もっとも多いのはフタバコカゲロウである。フライのサイズとしては#16以下といったところ。
それから、ここのところの高めな気温でテレストリアルも多様に出ていることが予想された。ピーコックパラシュートのようなフライも有用だろう。
ちなみに、雨が激しくなってからは飛んでいる虫をほとんど見なくなった。そりゃそーか。せっかく魚は上を向いているのに、フライセレクトが難しい。
本日の使用フライ。フタバに合わせて小型が多い。
ときおりのライズ
雨の寸前、ライズはある。魚は濃いように思える。中規模なプール、流れはユルユル。ヒラキと呼べる部分にイワナらしき魚影、そしてライズ。
件のピーパラではなかろうかとそれを投じてみた。
「ボコンッ!」そんなまるで渓流魚とは思えないアタックは空気ごと餌を飲み込もうとする音のようだ。(まるでバスか雷魚である)。
しかしながら見事に食い損ないのライズ。ピーパラはライズの波紋に揺れながら何事もなかったように流下を続けた。
去っていく魚影は、そこそこ大きそうだった。ここ天川では時おり見かける、尺もののイワナじゃなかったのか!惜しい!魚影は消えた。
桜の花びら多数の流下
ポイントにはバブルレーンならぬ「ペタル(petal)レーン」ができている。花びらのレーンである。山桜が散り始めているようだ。
これは釣りの邪魔ではあるのだが、釣れるレーンを探すのにはちょうど良い。ただ、白っぽいフライではまぎれて見えない。オレンジやピンクのポストを持ったパラシュート系が使いやすいが・・・パラシュートでは食い損ね多発というパターンはよくある。
白い点々が桜の花びら
花びらといえば、ストマックポンプで調べると、渓流魚は花びらやゴミなど適当に食っているのがわかる。一見は流下するものならなんでも食っていると思われる。しかしながら、フライだけはそうはいかないというのが不思議である。
その答えはただひとつ。そのフライが「自然に流れているか」ということに尽きるのではなかろうか。そのフライが現場にマッチしているか?そんなのは自然な流下あってからのことだろう。
ヒラキばかりでヒットする
本日の釣りでは流心からは何も出ず。どちらかといえば流れの緩い所で魚が出る。流心近くであればバブルレーンもあってこちらの姿を感づかれもしにくいのだが、ヒラキに定位している魚にはすぐに見つかってしまう。が、うまくいけばサイトで釣るチャンスも多い。というか、本日の釣りは半ばサイトになっていた。
魚の頭上を素通りするフライ。何か悪いのか?フライをとっかえひっかえ、そして最後にはニンフを結んでインジケーターをつけて投げるが、その時はすでに魚が去っていたり。
天候悪化の直前、何か難しい事態にはまり込んでいるという感じ。
雨が本格的になってから、どうやら魚の警戒感が緩んではいるようだ。しかしながら、雨が本格的ということは、こちらの作業もやりにくい。CDCはかなり使いにくい。
パラシュートにはかすることが多いし、雨でハッチが止んでいる感じもありで、フライセレクトは、はっきり言ってできない。
そこでちょっとややこしいフライを使ってみる。フタバのイマージャーあたりに見えそうな半沈み系。
フタバ系イマージャー#18
最初に釣れた魚はこれで来た。それまでパラシュート系はミスバイト、EHCは素通りという実績の後である。
というか、どうもキャスティングが不十分でドラッグのかかったプレゼンテーションしかできていない。パラシュート系にかする理由はドラッグにあると思えてならない。
それから、ティペットをV字に着水できていないためにティペット先行のドリフトになっているのだ。
フタバイマージャー#18で。天川レギュラーサイズ
ポイントを潰して歩いて残念
どうしても・・この地形の釣りでは険しすぎる河岸を歩けず(絶壁だったりして高巻きできず)、川それ自体を歩いて登ることがある。そこがまあ、第1級のポイントであったりすることが多々有る。
もちろん、そこにはフライを何度か投じており、そこで釣れなかった後、少し時間を置いてから叩き直そうと思うのだが、そこから登るためにはやむなくそのポイントを自分で踏み荒して行かざるを得ないこともある。
そして、ポイントに踏み込むと走る魚を発見することしばし。「わー、やっぱり居るがな!自分がよー釣らんかっただけだぜ」こういうことになる。
「どーやるべきだったのかなあ、どうすれば釣れていたのかなあ」とまあそんなことを少し考えてみるのも糧かもしれないと思っておこう。
午後三時過ぎ、風雨強く退却する
正午頃のハッチに備えて昼飯は川に持参。車に戻らずに釣り上がり続けた。しかしながら風雨は強まり、前途を見ると河岸の木々が強風でユサユサと揺れているのがわかった。キャスティングほぼ無理。
今回のルートでは川から上の道まで数十mという絶壁が続いたりと、脱渓点が非常に限られていた。雨が侵入したカッパに体が冷え、ほとんど無休憩で6時間ほどが経過している。
本日はレギュラーサイズのアマゴ4尾。まあまあの釣りだったとしておこう。