天川管理釣り場2017年10月3日

場所:奈良県天川村管理釣り場
気温;午前8時頃  12℃ 午後 15℃
水温:未計測
天候:午前:曇り 午後:晴 風速0〜2m程度
釣果:8尾 (ほぼ午前のみ)

天川管理釣り場のポイント

午前は肌寒い日。午後はriver peakさんのスタッフに同行してほとんどガイド兼インストラクターになる。今回の記事の後半には天川が浅くなった理由について触れている。

もくじ


振り返れば約一年ぶりの釣り

いやー今年はシーズンを完全に逸してしまい、残り少ないかもしれない釣り人生では一生の不覚。年に10回釣りに出たとして、10年通ってもあと100回しか釣りができないという計算である。

今年は3月に芥川の管理釣り場で釣ったが最後であった。

フライキャスティングを忘れたか?

やってみると忘れていることはなかった。普通にできる。

それから、毎日自宅前でベイトロッドを使ったフリップキャストの練習をしていたがために、リストの強さだけは維持していたようだ。

午前の釣り

最初の一尾はいつもの流れ込みポイント。普通サイズ+といったところ。river peakさんのサンプル商品の素材で巻いた普通のパラシュート#14で。

ドライフライ

斜め下からのアングル。パラシュートハックルは2回転。

このフライのダビング材料には紫外線反射率の高い混ぜ物があるらしいが、これ、屋外で見ると確かに紫外線が反射してっぽい。"Laser Dry Fly Dubbing"というダビング材である。

天川管理釣り場のニジマス

下画像中央付近の流れこみ、白泡が消えるあたりで出た。

天川管理釣り場のポイント

ハッチは極小、一日トータルでミッジサイズのカゲロウ系を4回だけ見た。あとはテレストリアル少々。

実際のところ、釣るなら沈める方がイイのはイイんだろうな。そう言えばこの釣り場で10月以降の管釣りシーズンにハッチはあまり盛んではない。

釣るなら沈め系、絶対そうだと思う。ファンシー系のフライでも十分に釣れる。

そうそう、大きなニジマスを狙うのも沈め系が絶対によろしい。

が、しかし僕の場合は管釣りシーズンにここへ来るのは釣果それ自体よりも半ばキャス練として来ている感じが強い。大きい魚や数には関心がない。

それで一日の70%近くはドライフライで通してしまっている。

そうして釣り上がり、乏しいポイントを打ちながら午前中に8尾の釣果。

午後の釣り

もとより、僕もriver peakさんも本日の釣りを予定しており、お互いが前日になってこの釣行予定を知ることになった。

個別に現場に入り、どこかでばったり会うことになるだろうと暗黙の了解。

そうして昼前に現場ですれ違うことになり、昼飯の後は釣行を共にする。

river peakさんたちはこの種の川が初めてで、これはガイドなしには厳しかろうと、僕はスタッフ君1名について回り、ポイント設定と攻め方を指導することになる。

river peakのワッペン

釣れるニジマスがいるところ

まずは釣れる魚がいるポイントを見つけること必要。大きなプールには見えるニジマスがいるのだが、これは釣れない。

釣れるニジマスは、やはり流れに潜んで餌を待っているものが有力だ。

まずはそういったところを次々にポイント解説していった。

天川のポイント1

天川のポイント2

天川のポイント3

どこも一見は浅く見えるが水深30〜70cmはある。ポイントは全て流れ込みのバブルラインとヒラキ。

山岳渓流特有のラインさばき

山の川はどうしても流れが速いところが多い。とは言っても水量の減った天川では数年前と比べるとトロい場所だらけにはなっている。

それでも未経験の人にとっては流れに対するラインのさばきで苦労することになる。

そこでロール・メンドやらドラッグがかかったら諦めることなど伝授しながら釣り上がる。

と言うか、止水や流れが超ゆっくりなところでの経験しかないと、ドラッグそのものに意識がない感じがある。

午後3時頃までにやっと1尾

そうしてスタッフ君に教えながら、ようやく1尾、40cmクラスのニジマスが出た。

これはビーズヘッドにコパーワイヤー巻きのニンフをインジケーターで流して釣れた物だ。

ただし惜しむらくは、彼がアタリを意識して合わせたかどうかがよく分からない点である。

他、どうしてもリーダー&ティペットのトラブルも多く、これは初心者には避けがたい事ではあるが、全体としてはかなり厳しい釣りを強いられたと思う。

ガイドをして見ての感想

人にポイントを教えたり、技術的なレクチャーをするのは僕にとって初めてのことになった。

フライフィッシングのベスト裏

自分の釣り時間を割いてもそうしてみようという気分になり、僕自身は客観的に自分の釣りを見直してみることになったかも知れない。

プロのガイドというのもこれは結構大変な仕事だろうなと思われた。

スタッフ君は、これに懲りずに釣りがうまくなって欲しいものだ。釣りが仕事って楽しいようで辛い面もあると思う。

僕自身でさえが、レビューを書く釣行というのは単に釣れば良いだけでは収まらず、ある意味は責任を感じる釣りとなる。

天川減水の理由を知る

ここ数年、どうもこの天川の水が少なく、前のような水位に戻らないのが不思議でならなかった。

これは日本中の川で言われているようで、山林の荒廃とか異常気象とか、温暖化とか、原因は様々にあるだろうと思っていた。

しかしながら、当日漁協のスタッフさんが他の釣り客と話をしているのを聞いて納得することがあった。

あれは大水害の後

2011年9月5日、台風12号により天川村は未曾有の水害に見舞われた。

フライフィッシング備忘録の参考ページ

このときには、天川に掛かる橋という橋が水没するほどの水量となり、土砂崩れ、小学校宿舎が流されて死者が出るほどの事態になった。

僕が「天川の水が減った」と思うようになったのはこの後からで、それから一向に回復していないと感じていた。

この水害の25日後、管釣りオープンに合わせて川に出て見た。

そこでは乗用車一台よりももっと大きな石が動いていたりで、ポイントはかなり様変わりしてしまったのを目撃した。

このように大石が動いてしまっているわけだから、水の流れも変わったのだろうと、そのように考えて水量も変化したと思っていたわけだ。

ダムの放水によって川砂が移動した

さて、漁協のスタッフさんの話によると以下のようだ。

あの台風12号の水害のとき、川迫(かせ)ダムが大規模放水した。

川迫ダムとは天川上流部にあるところの、元は発電用のダムである。(なお、GoogleMapのエラーで上の地図は全く異なる場所を表示していることあり。)

このとき、ダムに溜まった川砂が下流域に流れ出た。

その流出した川砂が下流域の川底に溜まり、それで川が浅くなった。

そうか、水が減ったのではない、川底が上がってしまったのである。

この話を聞いたとき、一瞬「ん?」と思ったが、頭の中で色々と想像してみると、確かに有り得ることである。

あのダムは、自然環境としては大失敗としか言いようがない。そして本当に大雨が降ったなら放水するしかないのだ。

この、ダムに溜まった川砂を定期的にダンプトラックで運び出しているのを知っている。なんたることだろう。


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