Abu2600C Elite というリール
今回はフライフィッシングから少し離れた道具の話。いわゆるベイトリールのことを少し。
知る人ぞ知るAbu2600C Elite というリールがある。
ここに、ちょっとしたミスから気づいたちょっとしたことを書いておこう。これもAbuのリールに対するちょっとした逸話になるかもしれないと思う。
2600C Elite は、今はもう作られていないところのクラシックタイプのAbu、そしてスエーデン製である。
実は僕はクラシックタイプのAbuマニアな頃もあり、4500系と2500系を数台づつを所持していたことがあった。しかしコレクターということではなく、実用上のこととしてチューンの素材にもなり、製造時期や細かい型番で少しずつ異なる仕様の違いが面白く少しずつ所有する台数が増えたということだ。
しかしそもそもが物離れが良いので、この種リールが必要な釣りをしなくなったとき、「これは」という一台を除いてはオークションて売り払った。
そして今手元に残っているのが未使用の2600C Eliteである。
この機種はクラシックタイプ2500系のもう最終型と言える。ことに「Elite」がついた型番は他にはない特徴があっため、面白そうだということで購入しておいた物だ。しかしたまたま使用機会がなかったために今でも未使用として残っている。普通の2600CとElite付きの違いを正確に知っている人はもう多くはないとは思う。
さて、時折はこのリールのことを思い出し、ふと取り出してはこれを使っての釣りを想像してみたりするのだが、もっぱらフライフィッシングをするようになってから使用機会を逸し、そのまま7年も過ぎただろうか。
そしてこの春、渓流では解禁を迎えたがフライフィッシングに行けず、ここは近所の淀川でバス釣りでもして茶を濁すことを考えた。
そこで思い出したのがこのリールAbu2600C-Eliteである。
取り出してなんとなくサイドブレートを外す・・・
そしてショックな光景が目に入った。
例の物、ブレーキブロックが一個しか付いていない・・・
(本来なら左右一対)
わー、しくじった!
足元を探しまわるがないない、ない!
この形式のリール、知る人は知っていると思うが、サイドプレートの付け外しのときには慎重にやらないとこのブレーキブロックが転がり落ちる。
これは今回の解体以前からなかったと思われてならん。
多分1年ほど前、前回サイドブレートを外して装着し直したとき、ブレーキブロックを一個落としたまま気づいていなかった・・・多分そうだろう。
ペン先との比較:左の四角く見えるのがブレーキブロック
このブレーキブロックというパーツ、円筒状で、縦横2〜3mm程度と小さな物。だがしかし、このパーツの働きは大切であってキャストの成否の一翼を担っているとも言える。
あのとき床に落ちたこれは、多分掃除機に吸い込まれ、とおに他の燃えるゴミとともに焼却されてしまっているだろう。
まあしかし、これは簡単に入手可能だと思ってネットで検索。
ところが思いもよらぬ事実を知ることになった。
まずリールに添付されている解体図にあるパーツNo,を調べ(10287である)、同等品をネットで調べる。ショップの情報もあり、そして釣り好きが集まるような掲示板にも情報がある。ああ、これなら簡単に入手可能だと高を括った。
ネットに幾つかあるところの、目的のパーツNo,の品物には詳しく寸法が記入されており、これなら間違いが起こらない。ところがしかし・・・
そこに記入されている寸法に対し「メカ好き」の勘が働いて「何かおかしい」とモヤモヤした気分なのである。
「何か違うな」
「そうだ、記入されている寸法が何となく現物と違う」
パーツNo,10287 | |
ネットの情報 | 直径1.80mm×長さ3.50mm |
手元の現物 | 直径2.16mm×長さ2.50mm |
Abuは確かに何機種かサイズ違いのブレーキブロックを出してる。そこで他のサイズの物も見るが、私の手元にあるようなサイズは純正として存在しないことになっている。少なくとも売り物としては存在しないのだ。
どうも僕の手元にある個体は特殊なサイズのブレーキブロックが使われているということになる。
まあ、実際にはネットで入手可能な寸法の物で何も問題にはならないだろう。また、実用上だけで言えばボールペンの芯を適当な長さに切った物で代用可能だ。
が、元のベークライトのブレーキブロック+アルミドラムのブレーキフィーリングが好きだという人もいる。
以上、オールドAbuリールのちょっとした話。
ちなみにこのリール、今はレア感があるのかそこそこ高値で取引されているようだ。
追記:こんなに違うブレーキブロックの大きさ
画像の左が小、右が大。いやーこれって落差ありすぎ。中間に位置するウエイトの物が必要だろう。ちなみに、あとから付けたコメント欄にありますが、このリールには組み込まれた小さいブレーキブロック以外に「ブレーキブロック大」と称する物が添付されている。
コメント
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その後の追記
実は、この記事をアップしてから寝る前に、ふと周囲のカーペット周りにコロコロ(粘着テープが円筒になった掃除用具)をかけると、件のブレーキブロックが張り付いているのを発見!パイル状のカーペットに埋もれていたらしい。しかしそれが思いもよらぬ遠くからである。なんというアホな。
しかしこれによって2600C Eliteの知られざる仕様を知ることになった。ただし全てのEliteがこうであるかはわからない。ウンチクのひとつではある。
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更に後からわかった不思議情報
このAbu2600C Elite には「ブレーキブロック大」が別に添付されている。その実測値が長さ4.62mm、直径2.42mm。これを大雑把に四捨五入して長さ4.5mm、直径2.5mmとして・・・
ううむ、こちらも純正パーツとしては存在していない。
まあ、同一パーツNo,の物でも時期によって仕様変更はそこそこにはあり得ると思う。だから、最も一般的に流通している規格の物とそうでない物が実は存在する・・・ということを頭に入れていて良いと思う。これが正しい、あっちは間違いという論争はなしにしたい。
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2600AIR
興味深いお話ですね。EITEではないですが2600AIRという機種をもっております。しばらく振りにルアー釣りを再開し頻繁に使うようになり、注油分解の際に遠心力ブレーキのコマ紛失を経験しました。片側ブレーキで使用してますが問題なく快調に釣りができてます。雷魚・ナマズ釣りでの使用ですが以前使用していた5000に比べるとコンパクトで軽量な分だけ使い勝手がいいですね。ところで、写真で拝見したウォームシャフトカバーの右側に圧入ベアリングが見えますが、2600C AIRベアリング改造の際にとても参考になります。
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Re: 2600AIR
>>3
コメントいただいたのに全く気づきませんで申し訳ありません。
自分自身が釣りから遠ざかっていたためにサイトを放置していました。
今、2600エリートは、自宅前の私有地道路でフリップキャストの練習台となっています。