神無月・神様の罰

10月16日に近所の八幡大神宮へお参りしたときのこと。

今回も超能力女房の話である。

どこの神社でお参りしても、僕は後で女房に尋ねることがある。

「神さんはどうしていた?」

こう女房に尋ねると、その時々の神様の様子を知ることができる。女房は神社にいる神様を見ることができるらしい。

で、その神様の姿なのだが、その神様の「古さ」によって姿が異なるらしい。古い神様は人の形でなく光の玉のように見え、比較的新しいらしい神様は人間の形で、その扮装ときたら、男性の場合は絵本にある「大国主命」のようなものであるそうな。(ホンマかいな?だが本当らしい)

八幡さんの画像

留守番

ところで先日の10月16日のお参りでは神様は留守であった。というのも、そうだ、神無月ではないか。神様は出雲大社へ出張中である。

「神さんはどうしていた?」

いつものように女房に尋ねると、

「神さんは出雲に行っているよ」との答え。

そうか、そうだった。それにしても神無月って本当に神様たちは出雲へ行ってしまうのだなあ。そしてさらに女房曰く、留守番は神社の御神木が受け持っているそうな。

八幡さんの御神木

また、その神社には本殿の他に小型の稲荷神社がある。そこの神様も出雲へ出張中。そしてそこの留守番は「キツネ」であるそうな。

「稲荷神社ってマジにキツネがおるんか?」

女房曰く、すべての稲荷神社がそうであるか知らないが、キツネは確かにいるという。

ただ、もとよりキツネがいたのか、人々が「そこにキツネがいる」と思うからそこにキツネがいることになったのかは定かでない。そしてさらに、キツネは神様の使いの役をしているそうな。

神輿(みこし)のこと

それから、祭りで神輿が出ているとき、神様は社殿から離れて神輿に乗って神社の外に出るらしい。このときの神様はそこそこに楽しそうであるそうな。

ふと思ったのだが、神社にいる神様たちは勝手に外に出歩くことはないのだろうか?

女房の答えとしては、どうやら出歩かないようだ。ただ例外は神輿が出ているときそれに乗ることだそうな。

そういえば、神様というのは毎日毎日、大勢の人に頼み事をされている。もう神様の有史以来、その時代のありったけの願いを現代まで言われ続けているわけだ。これはたまったものではない。それこそ神様でなければ務まらないだろう。その願いを叶える以前に、もう陳情の件数だけで途方にくれるだろう。

ところが祭りの時だけは、人々の願いもあろうが「神様をよいしょ」してくれる雰囲気がある。 神輿が出て神様の機嫌がよさそうなのはそのせいではないかと思っている。

ちなみにこの神輿であるが、その源流はユダヤ(ヘブライ)のアークにあるという。

神様の罰(ばち)

さて、次は場所が変わって大阪は住吉区にある住吉大社でのこと。大阪南部の人にとっては初詣のメッカ(なんじゃそら)である。ここは基本的に社殿(国宝)は四つで四神が祀られている。全国約2300社余の住吉神社の総本社である。

住吉大社

そこで最も奥にあるのが第一本宮、「底筒男命」 (そこつつのおのみこと)が祀られている。

「神さんどうしてる?」

ここへ来ても僕は女房に尋ねる。答えは神社の催事によって様々で、人が多く訪れる初詣シーズンには面白い答えが聞けた。

「うん、ちょっとウンザリはしているかも」

なんと、神さんはウンザリしているかもしれないらしい。

それは確かに、何万という人が訪れて好き放題に願いをかけ捨てていくからなあ。神様はそれが叶えらるかどうか以前に聞くだけでウンザリもするだろうや。

しかし、そこでふと疑問に思う。なぜ神様はそのような立場になられたか?

一日中本殿にいて、参拝者の願いをひたすら聞く。こんなことはたまらない。もしも神様の交代がなかったとしたら、ここ住吉大社なら下手をすると1800年ほどずっと同じことをしているわけだ。(年に一度の出雲出張はあるだろうが)

これはもう、なんというか、バチが当たったようなものではないか。普通に人間でいる方がよほど幸せではないか。

神社の神様は神様をやっているだけでこんな不幸なことがあるだろうか?

あの神様たち、もしかしたら何かの罰が当たって神様を命じられたのではなかろうかと想像している。

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