フック(MARUTO)
MARUTOとは(株)土肥富が製造するフックのブランドで、フライ用以外にも様々なタイプのフックや釣り具小物を作っている。フライ用フックとしてはまずまずのラインナップと、圧倒的な安さを誇っている。渓流のフライフィッシングで使うようなサイズであれば100本で600円程度とかなりリーズナブル。通販で購入可能。
(株)土肥富HP
MARUTOのフライ用フックのラインナップ
私はVARIVASのフックを使う前、MARUTOのフックを使っていたが、今では全く使用していない。それにはいくつかの理由があって後述している。
フックというのは釣りにおいて最終的に魚との接点であるから、ちょっと気になると妥協できなくなる。いや、腕が悪い部分は少しでもマシと思われる道具でカバーしようということか。そして逃した魚が「フックのせい」という逃げが打てないように。
上の画像では手前の物がプラケースに入っているが、実際には後ろにあるチャック付きボリ袋がオリジナル状態。ラベルだけ剥がして手持ちのプラケースに貼って使っていた。
MARUTOの気になる点
MARUTOは低価格で、そこそこに使用に耐えるとは思えるのだが、些細なことが気になりだすと、どうも使う気になれなくなってきた。下にいくつかの点を挙げてみる。
ラウンド部の整形が怪しい個体がある(と思う)
一般渓流でよく使うドライフライに欠かせないタイプのフックであるd24BL(バーブレス)であるが、サイズ#16以下では、よく見るとベンド部の形がまちまちなのである。ことに#18では目立ってこの傾向があるようだ。ただし、しっかり測定したわけでもなく、目視でなんとなく怪しいというレベルである。ベンドのラウンド(回り込み)がまちまちなのが、気になりだすと気になるといったところ。
たぶん、釣果には差が出ないと思うが、あまりに怪しくラウンドが回り込み過ぎた個体はフライを巻く段階で検品落ちとしている。そもそもが100本売りなので、多少は気に入らない個体が出てきてもやむなしと思うが。製造元の土肥富としてはたぶん問題なしとして出荷しているのだと思う。
ダウンアイの折り方がおかしい個体がある(と思う)
ラウンド部の形につぎ、これも気になる。
上の画像は左がMARUTO、右がVARIVASである。両者ともにいわゆるダウンアイという形で、アイの部分を下向きに角度をつけたデザイン。一般的なドライフライに多用されている形。
さて、上の画像で矢印部分だが、アイを下に折り込んだところを示している。しっかり折れずになんだか丸くなってしまっているのがお分かりでしょうか。
それに、アイの「根っこ」でなくストレートな部分が折り込まれ、アイの直後に真っ直ぐな部分がほんの少しあり、それから折れ曲がってシャンクへつながるようになっている。
この些細なことであるが、実はこのせいでフライを巻いたときにヘッド部の整形が思い通りにならない。これも気になりだすととめどなく気になること。
アイの直後にあるストレート部分を避けてヘッドを整形すると、なんとも間が抜けたデザインのフライに巻き上がるのである。ところが、そのストレート部分も含めてヘッドを整形しようとすると、それもおかしな形になる。
アイが閉じていないものがある
世の中にはオープン・アイという設計のフックがあるが、そうでなければきっちりと閉じていて欲しいのがフックのアイである。一本一本の検品は実質不可能であろうが、一袋100本の中に数本これが出現すると、全体が信用できなくなるというものだ。
カラー
一応「ブロンズ」ということになってはいるのだが、現実にはまるで「安全ピン」のような銀色である。これは光りすぎではなかろうかと思える。上に挙げた画像ではわかりにくいが、マットブロンズのVARIVASに比べればあきらかに光りすぎ。