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山の渓流のためのキャスト練習

山の渓流

少し開けた山の渓流(奈良県・天川)

バックハンドキャスト練習のすすめ

このコーナーは比較的狭い現場、例えば山の渓流でのフラフィッシングの実践に役立つキャスト練習について書かれています。

もくじ

山で必須なバックハンドキャスト

山岳渓流でのフライフィッシングをお考えの方は、オーバーヘッド、サイドハンド、スリークォーターのキャスティングに加え、早期にバックハンドキャストの練習を開始することをお勧めします。

フライキャスティング1

バックハンドキャスト

①オーバーヘッド
②スリークオーター
③サイド
④バックハンド(脇を開けてロッドを傾けている)

スリークオーターとサイドはロングリーダー&ティペットの釣りでV字落としに必須。

山の渓流においては立ち位置の背後や頭上の木々、大石、岩盤が邪魔になってオーバーヘッドやスリークォーターが使えないことが多い。

特に右利きの場合、左岸(下流に向かって左側の岸)の釣り上がりではバックハンドキャストが必須。(左利きの場合、当然右岸で)

ロッドを振れる空間が利き手の反対側にしかない場合、どうしてもバックハンドキャストが必要になる、と言うか、それをしなければ狙えるポイントは半減。

そこで、バックハンドキャストを特殊なことと思わず、オーバーヘッドやサイドハンドキャストと同じ分量で練習しておくのが吉。

山の渓流に行こうと思う方は最初からバックハンドキャストを十分に練習しましょう。

オーバーヘッドやサイドハンドに慣れた後、さあバックハンドを練習しようとするとすごい違和感がありますよね。

「あれ?なんか変・・・」そんな感じ。

この違和感はその内に克服されるでしょうが、早期にバックハンドを練習のルーチンに入れてしまうことで克服も楽です。

バックハンドキャスト練習にお勧めのロッド

できるだけ違和感なくバックハンドキャストの練習を始める為にお勧めするのが「短めなロッド」もしくは「軽めなロッド」。

一般的にキャスト練習開始時にはラインがロッドに負荷をかける感触をわかりやすくする為、少し重めのライン(とそれに対応するロッド)を使うことが多い。

そのロッドでそのままバックハンドキャストの練習をしてももちろん構わないですが、長く重いロッドで初めてバックハンドをやると、大概はロッドの振りすぎ、前後のストップが不十分になることが多発。

そこで手持ちの中で一段短い、または軽いロッドでバックハンドキャストをしてみるとかなり楽にロッドを操れることがわかる。

短め(軽め)なロッドで腕の振りの雰囲気に慣れたら、元のロッドに戻っても大きな違和感なくバックハンドキャストしやすい。

バックハンドキャストのコツ

最初はロッドを支える腕の方(ロッドハンド)の「脇を開く」だけで、ロッドのチップは頭上を越えて利き手の反対側に移動することになる。

この状態でそのままキャスティングをすればバックハンドとなる。

このときの違和感は目の前にロッドのバット部があることだろう。これじゃまともにバックキャストできないような気になる。(いや実際にはできますが)

そこで、顔の前にロッドのバット部が来るのが気持ち悪いなら、頭をちょっと避けてみるパターンはあり。

バックハンドキャスト

またはオーバーヘッドの態勢で脇を開けずに上体をそのまま利き手の反対側に倒し込んでみよう。↓

バックハンドキャスト2

⑤ロッドハンドの脇を開かず上体を倒しこむバックハンドキャスト

これでもまだ違和感が残るだろうがロッドのバット部が顔の前にくる「変な感じ」はなくなる。また、ロッドハンドの脇を開けないためにキャストの安定感が維持される。

それから少しずつロッドハンドの脇を開けるようにするとバックハンドに慣れやすいと思う。

そして④-1と⑤の合わせ技を使うとかなりロッドを倒し込める。

最終的には、上体の倒しと脇開けでバックハンドのサイドキャストという状態にまで持っていける。

利き手側からの風に対する優位性

山の釣りでは障害物に対する対応からバックハンドキャストが必須になるわけだが、箱池&ポンドタイプの管釣り、湖や木が少ない里川でも活用できる。

これは利き手側から強めな風が吹いているときだ。

利き手側から風が吹いているとき、オーバーヘッドやサイドハンドのキャストではラインが風で流れてキャスターの目の前を通過することがあり、身の危険を感じることがある。

このようなとき、バックハンドキャストを使えればそのような危険を避けることができる。