天川(奈良県吉野郡天川村)-2018年4月18日
大増水のフライフィッシング
場所:奈良県天川村
気温;午前8時頃 7℃ 午後 11℃
水温:未計測
天候:霧雨・曇り 風速0〜2m程度
前日の夜、天気予報では毎時1〜2mmの雨のはず、だったが、実際にはもっと降っていた。
当日2018年4月18日
ちなみにこちらの画像が同じような場所の平水時。水面から出ている石の形などで水位がわかる。
一応朝には降り止んだ雨だが、久々に大増水の天川に当たってしまった。
4月18日漁協データによると水位15cmUPとあるが、いやいやそんなことはない、体験的実測値としては30〜40cmUPですよ。(雨が上がって時間の経過とともに水位は下がったが)
朝一は気温5℃、まだ霧雨が残る中での釣り。ギリギリ「カッパ」を着ていてよいと言った感じの天候。
まともに立ち位置が確保できず。知っているポイントは全部潰れており、平水なら渡渉できるところがほとんどなくなっている。
ひと言で表すと「どこで釣るねん!」である。
とにかく水辺に降りると轟々たる水音。足を滑らせてはまり込めばそのまま激流に飲み込まれそうだ。
いやー、悪い時に来てしまった。
そう言えば、増水した天川は何度か経験があるが、この川は増水してもほとんど濁りが入らず、多少透明度が下がると言う感じ。画像にある通り、いつもの緑がかった青色、ラムネの瓶のような色のままだ。
そして雨上がり、霧雨の天川は風情があって美しい所ではある。空気的にもオゾンたっぷり感。
だが釣りは確かに難しそうだ。
しかし、こういう時の釣りがいかなることか、しっかり体験して帰ろう。
とにかくポイントを探す
増水には増水時のチャンスがあると言う。
たとえ濁りが入っていたとしてもそれなりな狙い所があると言う。
参照記事:FlyFishier 増水時こそ水面勝負
しかしいかんせん、この増水では「立つところが超制限されている」だ。
新しいポイントが生まれている可能性があるのはわかる。しかしここまでの増水ではそこに足で到達できんのよ。
それでもまあ、そんなことを言っていても仕方ない。キャストできるところを目指す。
最初の手応えはフェザントテールニンフ
朝一、ようやく見つけた「ポイントらしいところ」で、キャストのために立てそうなところ。
なんだかんだ言って水生昆虫が飛ぶ雰囲気なし。で、ドライを投げる勇気なし。とりあえずはインジケーターにフェザントテールニンフあたりで茶を濁す。
いやだいたいね、魚がいそうで、そしてインジケーターを流せるレーンが存在する場所というのがそうそうにはありゃしません。
また、渓流用軽量タックルの難点として、あまり重いフライ(要するに沈めやすい)はキャストできない、がある。
それでも見つけたポイントで・・・
インジケーターが走った!合わせた!
そして一瞬は魚の揺動感をロッドに感じ、確かに銀色の魚体がヒラを打つのが見えた。しかしそれまで。逃げられた。
でもがっかり感よりも「おっ!魚おるで!正しいところに流せれば釣れるで」という期待が高まった。
その後、とにかくポイントを探すが、何せ見渡す限りが急流となり、そうでなくとも立てるところがないのが辛い。
ところどこに発見する緩流帯はあるのだが、ここに魚が付いている、と言った雰囲気でなく、投げられない。
また、流れをまたいだ向こう側にポイントらしいところがあったとしても、間にある流れが「轟々たる激流」と化しており、とてもじゃないけどメンディングが追いつかないのだ。
そんなこんなで午前中を費やし、まだ魚の顔を見ず。
ハッチを見る
11時頃になると霧雨が止むタイミングが現れ、ほんの少しはミッジのハッチが観察された。
そして12時頃になると、霧雨と曇りの合間に一瞬の晴れ間が見えるようになる。気温も上がり、フタバコガケロウをいくつか見ることができた。
ああ、これならドライも使えそうだ。
あの投げにくいインジケーター付きのリグはもうこりた。なんとか投げられたとしても、あれは気分的にスッキリしない感ありだ・・・
一旦昼飯休憩とし、午後はドライを中心に使って見ることにした。
また、雨がほとんど上がって6時間ほどの経過。水位は10cm程度は下がったと思う。
午後イチ・ドライに反応した
ようやく見つけた「そこそこ歩ける場所」とその入渓ポイント。
何が「しんどい」ってねえ、小さなポイントに入るために、道から川に降り、そして渡渉は絶対無理なので、また道に上がるという運動がかなり大変。
平水だったらどんどん釣り上がれるのに、いちいち道に上がるということになる。これ、かなり厳しい。途方に暮れるんだ。
上の画像の場所、かなり歩けはするが、魚がいる場所がたくさんあるわけでなし。魚がいない場所にも水がたくさん来ているだけ。
しかしとりあえず、「らしいところに」先ほど目にしたフタバと同じような大きさのパラシュートを投じる。
これも、とりあえず手前の流れが速く、メンディングが追いつかない。フライをポイントに置いておける時間は僅少。
それでも、おお!!出たぞ!! 完全に乗りはしなかったが、フライ触りはした。
が、フライに触っただけにその後のアクションが難しい。フライを変えるか、ニンフに切り替えるか・・・諦めるか。あの魚体はアマゴだったが、それだとまあ無理だろね。
とりあえず、居るところには居る。やり方が間違ってなきゃ釣れる・・・はず。
あとはマジメに釣りをするだけ。
さて、さっき反応があったポイントに今度はニンフを沈める。これもマッチハッチとして#16のフェザントテールを・・・
あーだめ。無反応。
少し離れたレーンに、今度は高浮き系のCDCソラックスを・・・
出た!しかし乗らん。
どうも出方に勢いがない。魚が大人しい。
そんなこんなで、そして入渓、脱渓に時間ばかりかかる。
かなりヘトヘトである。
川に降りればずーっと轟々とした水音ばかり。
そんなところでインジケーターのリグのトラブルを直し、フライを交換するのにうつむいてじっとして・・・水音自体は心地悪いこともないが・・・何か三半規管がマヒして平衡感覚を失いそうである。
疲れた・・・
午後三時。水位はかなり下がって来た。このまま夕まずめまでいれば釣れるチャンスが拡大すると思う。しかし疲れた。
本日はこれで切り上げることを決定。
かなりな増水時の経験。これはこれで引き出しのひとつ。
ボーズを喫したのだが、これはこれで楽しかったのではないか?全く無反応に終わることなく、ある程度までこぎ着けた。これ大きな収穫だと思おう。
大阪市内で渋滞に捕まるまでに、さあ家路を急ごう。